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視能訓練士国家試験 第47回 午前 解説 28

28 眼瞼下垂の原因検索に必要でないのはどれか。

1.眼位検査

2.直像鏡検査

3.瞳孔径測定

4.眼球突出計検査

5.アイステスト<冷却テスト>

 

答え : 2

 

眼瞼下垂を伴う疾患*1

  • 動眼神経麻痺による眼瞼挙筋の麻痺
  • ホルネル症候群
  • 重症筋無力症
  • 交感神経麻痺による瞼板筋の麻痺
  • 先天眼瞼下垂

眼位検査は動眼神経麻痺、瞳孔径測定はホルネル症候群、アイテスト(冷却テスト)は重症筋無力症の鑑別として行う。

ハードコンタクトを長期に渡って装用している人や、眼瞼の腫瘍の瘢痕化で上眼瞼の運動を妨げるものを機械的眼瞼下垂という。

眼球突出検査は、眼球突出だけではなく眼球陥凹(眼のへこみ)を調べるために用いる。*2眼球が凹んでいると瞼が被さってくる。

眼球突出

  • 甲状腺眼症
  • 外眼筋炎
  • 眼窩蜂窩織炎
  • 眼窩腫瘍
  • 海面静脈洞瘻
  • 眼窩出血
  • 眼窩気腫

眼球陥凹

  • 眼窩骨折
  • 眼窩減圧術後
  • 老人性眼窩脂肪萎縮

以上より、眼瞼下垂の鑑別に眼底検査は必要ない。よって答えは2の直像鏡検査。

*1:現代の眼科学 改訂版第11版 p.68

*2:眼科検査ガイド p.721