ORT.com 視能訓練士のブログ

日々の検査や視能訓練士の過去問、勉強について書いていきます

視能訓練士国家試験 第47回 午前 解説 22

22 遠見視力検査で正しいのはどれか。

1.検査距離は5mで行う。

2.0.1以下の視力は測定できない。

3.2.0以上の視力は測定できない。

4.Landolt環の切れ目の幅は内径の1/3である。

5.視力表の明るさは50〜100lx程度に調整されている。

 

答え : 4

 

ETDRSチャートでは4mで検査する。*1

字一つ視標を近づけたり、患者に近づいてもらえば0.1以下の視力も測定できる。*2

2.0以上の視力は視力表からの距離を離せば検査できる。例えば、5mで2.0の視標を10mで判別できれば視力4.0。*3

視力表の明るさは500~1,000lx*4

 

より正しい答えは4のLandolt環の切れ目の幅は内径の1/3である。Landolt環の内径は4.5mmで切れ目は1.5mm。*5

*1:視能学 第2版 p.58

*2:視能学 第2版 p.57

*3:視能学 第2版 p.58

*4:視能学 第2版 p.55

*5:視能学 第2版 p.55

視野異常別疾患まとめ

視野 疾患
求心性狭窄 網膜色素変性、緑内障、視神経萎縮
不規則性狭窄 網膜剥離、網膜静脈分枝閉塞症、網膜動脈分枝閉塞症、緑内障

中心暗点

加齢黄斑変性、中心性漿液性網脈絡膜症、視神経炎

輪状暗点

網膜色素変性

ブエルム暗点、弓状暗点 緑内障
水平半盲 虚血性視神経症
両耳側半盲 下垂体腺腫

 

視能学 第2版を参考にしました。国試に頻出するものをまとめてあるだけなので、他にも視野に異常が現れる疾患はあります。

視能訓練士国家試験 第47回 午前 解説 21

21 診療録について正しいのはどれか。

1.視能訓練士は記載できない。

2.検査データや施術記録を含んでいる。

3.紙媒体の外部保存は認められていない。

4.終診時から8年間は保存が必要である。

5.紙媒体は電子媒体による保存が義務付けられている。

 

答え : 2

 

診療録は医師や医療従事者によって記載される。*1

診療録には患者の症状、身体所見、検査所見、診断、治療などが記載される*2

電子媒体または紙媒体での外部保存は認められている。*3

診療録は5年間保存しなければならない。*4

紙媒体を電子媒体により保存する義務はない。

*1:視能学 第2版 p.456

*2:視能学 第2版 p.456

*3:視能学 第2版 p.459 表9 診療録等の保存を行う場所について

*4:視能学 第2版 p.458

視能訓練士国家試験 第47回 午前 解説 20

20 両眼視の成立に影響を与えるのはどれか。

1.眼圧

2.眼位

3.収差

4.調節力

5.瞳孔径

 

答え : 2

 

両眼視機能成立の条件*1

  1. 両眼が中心固視であること
  2. 左右の視力に大きな差がないこと
  3. 両眼の視野が広いこと
  4. 両眼の網膜にほぼ同じ大きさの像が映ること(不等像視がないこと)
  5. 眼位・眼球運動に異常がないこと
  6. 両眼の網膜が生理的対応点を持っていること(網膜正常対応であること)
  7. 融像運動を起こす反射が正常であること(輻輳・開散運動が正常に行えること)

よって答えは2の眼位

*1:視能学 第2版 p.169

視能訓練士国家試験 第47回 午前 解説 18

18 プリズムについて正しいのはどれか。

1.1Δは、約2°である。

2.屈折率は、約1.3である。

3.頂角は、偏角の約半分である。

4.3Δの場合、距離3m に対して1cm偏向する。

5.基底下方4Δ、基底外方3Δの合成系は、基底外下方5Δである。

 

答え : 5

 

プリズム*1

  • 単位にはプリズムジオプトリー(Δ)を用いる。1mの距離に対して1cmだけ光線を偏向させる単位。
  • 偏角は頂角の半分である。
  • 1Δは約0.55°
  • 屈折率約1.3は水
  • プリズムの合成はベクトルの合成で求められる。

{ \displaystyle \sqrt{4^{2} + 3^{2}} = 5 }

 

*1:視能学 第2版 p.103

視能訓練士国家試験 第47回 午前 解説 17

17 病態と検査の組合せで誤っているのはどれか。

1.小口病 - ERG

2.眼内異物 - MRI

3.眼窩壁骨折 - CT

4.加齢黄斑変性 - OCT

5.卵黄様黄斑ジストロフィ - EOG

 

答え : 2

 

眼内異物が疑われる場合には、細隙灯顕微鏡により前房内、虹彩、水晶体の観察を行い、さらに眼底検査により異物を探す。出血や白内障で直接眼内を見れない場合はX線、超音波、CT、MRIにより異物の有無及び部位を調べる。ただし、磁性の異物が疑われる場合はMRI検査を行ってはならない。*1

*1:現代の眼科学 改訂第11版 p.325

視能訓練士国家試験 第47回 午前 解説 16

16 コントラスト感度で、最も視力と関係する空間周波数[cycles/degree]はどれか。

1.1.5

2.3.0

3.6.0

4.12.0

5.18.0

 

答え : 5

 

縞の幅(空間周波数)をcycle/degree(c/d)で表す。小数視力に変換すると

1.5(c/d) = 0.05

3(c/d)    = 0.1

6(c/d)    = 0.2

12(c/d)  = 0.4

18(c/d)  = 0.6

 

通常0.6までの視標で測定するので恐らく答えは18(c/d)だと考えられる。*1*2

*1:視能学 第2版 p.61

*2:眼科検査ガイド p.110