ORT.com 視能訓練士のブログ

日々の検査や視能訓練士の過去問、勉強について書いていきます

光学

光学ノート26 調節力

調節力 遠点 - 近点間距離をレンズの度数(D)で表したもの p(m) : 明視可能な近点距離の限界 r(m) : 明視可能な遠点距離の限界 例題 1. 5Dの近視。近点は何cm?調節力1D 眼前16.7cm 2. 1Dの近視。近点は何cm?調節力9D 眼前10cm 3. 4Dの遠視。近点は何cm?調節力…

光学ノート25 調節の機構

調節 調節の機構 輪状筋が収縮 毛様体小帯(チン小帯)が弛緩 水晶体はその弾性で前方に膨張し屈折力を増す 老視 加齢にともなって水晶体の弾性が低下し、近方視において調節による明視が困難になる 眼精疲労が起こる一連の愁訴 頭痛 眼痛 眼の疲れ 肩こり 10~…

光学ノート24 不同視

不同視 不同視 左右の屈折度の異なるものをいう 通常2.0D以上の差 先天性 後天性…角膜混濁、白内障術後の片眼無水晶体など 1.弱視 遠視性不同視または片眼強度近視不同視は弱視になりやすいので調節麻痺剤を点眼し、屈折検査をしてから屈折矯正する 2.両眼視…

光学ノート23 屈折異常 乱視

正乱視と不正乱視 正乱視 直交する2経線で結像位置が異なるもの。 最も強い屈折力をもつ経線を「強主経線」、最も弱い屈折力をもつ経線を「弱主経線」といい、これらは互いに直交する。 各経線での像は「線」であり、これを「前焦線」「後焦線」と呼び、これ…

光学ノート22 屈折異常とその矯正

正視と屈折異常 正視 無調節状態の眼に入射した平行光線が網膜面に結像する眼。遠点は無限遠方にある。 ※遠点…無調節状態のとき網膜中心窩に結像する外界の点 非正視 屈折異常(近視、遠視、乱視) 近視 無調節状態の眼に入射した平行光線が網膜の前方に結像…

光学ノート21 望遠鏡

ガリレオ式望遠鏡 対物レンズ:凸レンズ 接眼レンズ:凹レンズ 低倍率(3倍くらい) 正立像 ケプラー式望遠鏡 対物レンズ:凸レンズ 接眼レンズ:凸レンズ 高倍率 倒立像 プリズムが必要

光学ノート21 プリズム

プリズム 最小フレ角(最小偏位の位置) 入射角と出ていく光線がプリズムに対して対称 プレンティスの位置 入射角90°の測り方

光学ノート20 パワークロス例題

1.R : S-3.75 = C-0.75 Ax180 L : S-3.00 = C-1.75 Ax180 2.R : S-2.50 = C-1.75 Ax90 L : S-2.75 = C-1.25 Ax90 3.R : S+0.50 = C-1.00 Ax90 L : S+1.50 = C-1.25 Ax90 4.R : S+5.50 = C-1.50 Ax90 L : S+3.75 = C-1.50 Ax65 5.R : S-2.75 = C-0.50 Ax135 L…

光学ノート19 物体の形態覚

物体の形態覚を知る4つの尺度 1.最小視認閾(minimum visible) : 1点または1線を認める閾値 2.最小分離閾(minimum separable) : 2点または2線を識別して感じる閾値 3.最小可読閾(minimum legible) : 文字を判別できる閾値 4.副尺視力(vernier acuity) : 2線ま…

光学ノート18 視力の種類

視力の種類 1.裸眼視力と矯正視力 裸眼視力 : 矯正しない視力 矯正視力 : 眼鏡レンズで完全に矯正した最高視力(眼科では一般的に完全屈折矯正という) 2.遠見視力と近見視力 遠見視力 : 遠距離(5m)での視力 近見視力 : 近距離(30cm)での視力 3.片眼視力と両眼…

光学ノート17 レンズメータ結果の表示例

結果の表示例 得られた結果 : -1.0 SC度数表記 : S-1.0D パワークロス表記 : 得られた結果 : -5.0 SC度数表記 : S-5.0D パワークロス表記 : 得られた結果 : +2.5 SC度数表記 : S+2.5D パワークロス表記 : パワークロス表記 例)得られた結果が+1.0D カルテの…

光学ノート16 レンズメーターの基礎3

乱視矯正用レンズの測定 1.レンズメーターの基礎2の手順通りにレンズを固定 2.測定ハンドルを+から−側へと回す このとき、流れたコロナが鮮明になるところで止める 3.クロスラインの短線をコロナの流れる方向に合わせる 4.再度、測定ハンドルを+から−へと…

光学ノート15 レンズメーター基礎2

球面レンズの測定手順 1.視度調整(接眼レンズのみ) スイッチオン ↓ 視度調整環を充分、左に戻す ↓ ターゲットを0ポイントよりわざとズラDiopter読み取り目盛りを消す ↓ 視度調整環を少しずつ右へ回す ↓ 第2焦点鏡の目盛りがはっきり見える最初の位置でとめる…

光学ノート14 レンズメータの基礎1

レンズメータの基礎 レンズメータとは 対象および目的 眼鏡やコンタクトレンズのレンズ度数を測定する機器 臨床では所持眼鏡の度数や光学中心間距離が適切であるか、あるいは処方した眼鏡がその通りに正しく作成されているかを確認するときに使用 種類 手動…

光学ノート13 屈折力と屈折度

屈折力と屈折度 1.遠視 眼の全屈折力が眼軸長に比べて弱いか、眼軸長が全屈折力に比べて短いと、眼内に入射する平行光線は網膜の後方に結像する 遠点と一致する焦点距離をもつ凸レンズで矯正 2.近視 眼の全屈折力が眼軸長に比べて強いか、眼軸長が全屈折力に…

光学ノート12 レンズ

レンズの種類 1.球面レンズ sphrical lens 凸レンズ(プラスレンズ)と凹レンズ(マイナスレンズ) 2.円柱レンズ cylindrical 円柱レンズの軸は0° < θ ≦ 180°(水平方向はAx180°で表記) 軸と逆方向に度数がはたらく レンズの屈折力 レンズの単位はD(Diopter)ディ…

光学ノート11 模型眼

模型眼 ・解剖学的実測値をもとに生理学的研究によって考案されたもの→眼球光学系の標準モデル ・代表的なものが「Gullstrand」グルストランドの模型眼。その他にも「Helmholtz」ヘルムホルツや「Le Grand」リ・グランド等の模型眼がある。 Purkinje - Sanso…

光学ノート10 眼球光学

眼球光学系の光学特性 中間透光体 : 光が眼球に入って網膜に到達するまでの経路 (涙液層) → 角膜 → 前房 → 水晶体 → 硝子体 角膜 ・眼球の外膜前面を形成している透明な膜 ・レンズとしての役割があり眼球の屈折力の大半を担っている 形状 : 凹メニスカス 直…

光学ノート9 ミラーと光学

ミラーの光学的作用 凸面鏡 ・焦点から逆方向に反射 ・凹レンズと光学的作用は同じ 凹面鏡 ・全て反射 ・凸レンズと光学的作用は同じ ミラーの焦点距離 f : 焦点距離 r : 曲率半径 例)半径50cmの凹面鏡の反射パワーを求めなさい ミラーの結像 ①物体から中心…

光学ノート8 結像

結像 1.倒立実像(物体が焦点距離より外) 2.正立虚像(物体が焦点距離より内) 3.正立虚像(物体が焦点距離より外) vergence 像のできる位置を求めるにはvergenceの概念を用いる 例) +2.0Dのレンズ前方1mにある物体はどこに像を結ぶか レンズ後方1.0mに結像する …

光学ノート7 節点、焦点と焦点距離、レンズの屈折力

節点 ・節点とは、第1節点に入射した光線が第2節点から同じ傾斜角で射出する点 ・レンズ系の前後の媒質の屈折率が同じとき主点と節点の位置は一致する ・眼球光学系のように物体空間と像空間の屈折率が異なるときは、主点と節点の位置は一致しない ※節点を通…

光学ノート6 レンズの主要点

レンズの主要(薄いレンズ) 光軸 : 前頂点と後頂点を結んだ線 P : 主点 N : 節点 F : 焦点 H : 主平面 主点と主平面 <薄いレンズ> <厚いレンズ>

光学ノート5 レンズと光学

レンズの分類 形状による分類 球面レンズ 円柱レンズ トーリックレンズ(球面レンズ + 円柱レンズ) 作用による分類 凸レンズ(プラスレンズ) 凹レンズ(マイナス) 球面レンズ 凸レンズ 中心が厚い 光を収束 遠視を矯正 凹レンズ 周辺が厚い 光を発散(開散) 近視…

光学ノート4 全反射

全反射 光が屈折率の高い媒質1から媒質2に入射とき、入射角が臨界角を超えると光は境界面を透過せずにすべて反射する。 臨界角 : 屈折角が90°となる時の入射角

光学ノート3 反射と屈折の法則

反射の法則 光が媒質の境界面で反射するとき、入射角と反射角は等しくなる 1.入射光線、反射光線、法線は同一平面にある 2.反射光線は法線に対し、入射光線の反対側にある 3.入射角 = 反対角 屈折の法則(snellの法則) 光が媒質1からより密度の高い媒質2へと…

光学ノート1 幾何光学と波動光学

幾何光学 光の波動的な現象を無視して光を光線として取り扱う光学の一分野 光の伝わり方を線で表現 光の波長(λラムダ)が0においてのみ成立する近似理論 レンズ系やミラーの結像等に使用 波動光学 光の伝わり方を波で表現 現象を幾何光学よりも忠実に表現して…

光学ノート2 光の性質

媒質と屈折率 媒質:光が伝わる環境(真空、空気、水、ガラスなど) 屈折率(n):真空中の光の速度(c)を各媒質の光の速度(v)で徐した値 各媒質における屈折率と光速度 例)ガラスの光速度 真空中の光速度を300,000 km/s、ガラスの屈折率を1.5とした場合 1.5 = 300,…